2022/12/15
三井家のお宝、国宝「雪松図」円山応挙
日本橋の三井記念美術館で、おめでたいもの集めの展覧会がやっています。
「国宝、雪松図と吉祥づくし」です。
円山応挙先生リスぺクターとして、当然行かねばなのです。
雪松図は見たことあるのですが、何度でも見たいですね!
今回は、応挙先生の鶏、中国の文人家族や七福神など計6点が出ていました。
(蓬莱山・竹に鶏図、双鶴図、郭子儀祝賀図、大黒図、福禄寿・天保九如図)
さすがパトロン。
すんばらしいもの持ってます。
「いやいやいやいや、本当にすごい、すばらしい」
「金と墨と白、白泥?胡粉?わからんけど、その3色だけで…この描写」
「近づいてみると、そこまで描き込んでないんだよね。適当にすら見える。でも離れるとすごく精密に見える。見る場所によってすごく違う」
「これは現物を見ないとわからない、ぜんぜんわからない」
「これ見よがしなところがまったくないんだけど、本当に計算されつくしてる」
「品がいい。本当に上品。光がさしてる。この雄鶏と雌鶏なんて、清らな世界のチキン・ジョージとルーシーじゃん」
「賢そう。鶏が。いきものへのリスペクトがある。やっぱりその辺が若冲とは違う。上品」
「若冲はなんていうか、見せ物的だから…」
「大黒様がかわいい。おっさんのいやらしさゼロ。妖精」
「福禄寿もさあ、なんだろうこれ、他の人の絵とぜんぜん違うの」
「…こいぬだ! 応挙先生のこいぬと同じ丸さと顔!」
「本当だ!!!! おじいちゃんもこいぬになってしまう応挙先生…なんて…日本美術史上でやっぱり応挙先生が一番好き!」
「七福神もこいぬのかわいさ…もう、応挙先生は心がきれい。一瞬で清まる」
「雪松図に戻るけど、印象派って絵具の色と見える色に迫っていったら、RGBだったって世界じゃん。寄っていったら見えるものがそれっていう。それが心により違ってくるみたいな。でも応挙先生のこれは墨と金の世界で、寄っていったらRGBじゃなくて違うものが見えるんだよ。世界が変わるんだよ。どこまでいってもその美しい世界があるの。印象派超えてる。すごい」
「いやもう、こんないいもの見せてもらってありがとうございました」
「三井家、北三井家とか南とか室町とか新町とかあるんだね。藤原兄弟4家みたいなやつ?」
「ぜったいヒエラルキーあるじゃん…」
「三井家9人で寄せ書きした掛け軸(朝日鶴亀松竹梅鶯書画)一番えらいやつが真ん中なんだろうな」
「違う三井家9人みんな、名前に高がついてる」
「ミステリだったら殺人が起きるな」
「関係ないけど、沈南蘋の猫のくせの強さ、すごい入ってくるw」「わかるw」
「東博の国宝展よりよかったよ。もっと宣伝していいのに」
「別にこれで儲ける必要ないから、しないんだろうね。住友の泉屋博古館もしないしさ」
「三菱はそこいくとやっぱ宣伝する。明治の成金の感じ。持ってるものもなんか格が違うし」
「文化庁が稼げる文化事業とかいってて絶望したよ。芸術は稼ぐもんじゃない。稼いだ人が採算性度外視でつくらせたり買うもの。美意識とカネのある貴族や財閥を解体したら、国家がそれをやるべきだろ」
「美意識がないからクール・ジャパンとかやるんだろ。日本文化を知らないから。平気で美術館も採算性とかいいだす。大英博物館もナショナルギャラリーも無料だっつうの」
「人から盗ってきて集めた帝国主義のお宝だから、人類としてただで見せようってとこは尊敬するよ、英国。好きじゃないけど」
「守ってもらってありがたいよ。これだって、三井家がお宝を見せてくれてるんだもんね」
「そうですよ。貧乏人が生活の中で一生日常になることのない美を」
「施しですよ」
「施し! それ!」
「ありがたみしかない」
「守っていってほしいね。現代の成金には決してできないから」