2022/03/03
2022年2月24日、ロシアがウクライナに侵攻、ドネツク・ルガンスクの独立を承認したことを背景に武力で侵略を開始しました。
ちょうど2月21日にロシア大使館にビザ申請の予約を申請したばかりでした。
この戦争について外部で起こっていることと、自分の内部の反応をメモしていきたいと思います。
後から見て、見当違いや的外れ、状況の変化に気づくかとは思います。
それらを含めて自分のために記録します。
ニュースが入ってきた当初、ショックが強くて自分でも驚きました。
アフガニスタンやシリアなどの戦争にもショックは受けていましたが、比較にならない苦しみを感じて食べられず、何を見ても泣いていました。
こんなにもメンタルをやられたのはなぜだろうかと考えると、自分にとって、宗教や内戦といった思想同士の対立というより、DVを強く想起する侵略だったからではないかと思います。
ロシアを元カノに執着するDV男に例えた話がありましたが、親子や上司部下にも共通する話です。
”おまえは俺のものだ、逆らう事は許さない、他のやつに近づくな、戻ってこい、おれたちは家族だ仲間だ”
という檻閉じ込め思考。
相手が嫌だから離れていきたいのに、身勝手な論理と力づくでいうことを聞かせようとする。
その巨大暴力構造を感じて、実家や前の会社のパワハラ上司の悪夢を見ました。
友人も「子供の頃の夢を見た、閉塞感でいっぱいの部屋の夢」といいます。
過去の息苦しさの記憶がウクライナが攻撃された苦しみに繋がったのだと思います。
(多分、そういう体験のない人にはちょっと、わからないのではないかと思うけど、我が家は経済DV、教育虐待、モラハラが酷かったので、子供の頃から勉強して自活して家を出て自由になるんだと願って生きてきました。そうやって今幸せなので、もし無理やり連れ戻されるなら刺し違えても全力で抵抗する。そういう気持ち)
例えば米国のイラク攻撃、ユーゴ問題へのNATO・国連介入については、911のトラウマで強い俺を取り戻したかった米国、や人道への執着(人道もある種の宗教である)という理由を自分の中で想像します。
対象を勝手に自分が理解できるレベルの物語(narrative)化するのは、戦争のみならず社会のあらゆる分野でしてはならないことです。
そうと理解し恥じたうえで、自分の領域で物語化してしまいます。
ロシア=プーチンの思考は大スラブなる過去の関係に執着した妄想と、暴力による押し付けであると私は思いますし、それはDVに非常に近く感じます。
それが内部の反応としてまず。
外部の情報について。
私は日本メディアのニュースをほとんど見ません(テレ東BIZは時々見ます)
SNSも日本語は言葉は理解できるが内容がノイズという事が多すぎるので、なるべくパッと見ではわからない英語を読むようにしています。
それでも入ってくる情報が色々あります。
・NATOや米国が追い詰めた、プーチンにも理がある
殺人犯や通り魔にだって社会に追い詰められてとか理由があるだろうけれど、だからいきなり暴力を振るい相手を殺して追い詰め返していいわけはないです。
完全な悪も完全な正義もない(アメリカは自分を棚に上げて、あると言い張る=そういうところが嫌われる)。 誰にでも瑕疵がある。だから情状酌量の余地があるなら逮捕されてからでしょう。
今、非戦闘員を含む無差別殺人を犯している人がいるのに、殺される相手にも悪いところがあるからといって止めないのはありえないことです。
・アフガニスタン、シリア、ミャンマー、イエメンその他紛争地域があるのになぜウクライナに騒ぐのか
個人的には先の理由からですが、世界ではどうかといえば、欧州は自分達の事と思うからかもしれないし、米国は自分の地位を誇示したいからかもしれない。人道という宗教からかもしれない。心に訴える情報量が多いからかもしれないし、白人優位主義なのかもしれない。
他の紛争地域を無視したくせに、というのは各々心に問うべきことです。
そして、だからといってロシアプーチンを非難することを批判し抑圧するのは筋違いです。今まで見て見ぬふりだったから、これからもそうするのが公平だという考えはよい未来に全くつながらないことです。火事を見て驚いている人に、あちこちで火事があることを言い募っても、意識が散漫になって結局火消し自体が無意味と思わせては何ひとつもよくならなりません。
ウイグル問題やジェンダー問題、他にも様々な問題に声が上がるとそうやって「あれは放置なのになぜこれに騒ぐのだ」という人がいますが、人間は完璧な理想を実現することはできないのです。異常なほどの公平性を求めてネガティブキャンペーンを行うことは、公平とは逆の現実を強化する行為であり、すべきではありません。
・強さ
米国ではバイデンを弱いと非難し、トランプを支持する大きな声もありました。
この状況に対して「俺の強さ」を第一義に置く超大国、だから偉大さ(あったとして)を失ったと気づいていないのかと思います。
・暴力に暴力でやり返すこと
個人的には互いに傷と怨みが残る殺し合いのために支援したくはないです。兵士を英雄扱いするのも危険だと思います。でも自国を攻撃され奪われかけているウクライナの国民の判断ですから、安全な外野からは到底批判できないことです。
占領虐殺は絶対起きて欲しくない。でもエスカレーションがTHE BEE(筒井康隆『毟り合い』)のようになってはほしくない。どちらも傷つき、自らの体を切り捨てながら相手に「勝つこと」が目的となって、次第に現場の切実さに周囲がついていけず飽きて、違う話題で覆い隠される、そうなってほしくない、と思います。
そして「戦争を起こさない」「一部の誇大妄想的な人間に巨大な権力を持たせてはいけない」「そういう国に対して最大限の予防措置を行う」
中国が台湾に行うことを防ぐなら、まず、今、プーチンが成功体験の前例を作らないため全力を注ぐことだと思います。
・トランプ、メルケル
トランプ元大統領、メルケル元首相に対して、「トランプならこうならなかった」「この事態を招いたのはメルケルだ」という声が起きています。
立ち位置は違えども、二人ともプーチンにとって「心が近い」相手であったのではないか、トランプは本質が、メルケルは戦略的に、同じレベルの人間としてプーチンの自尊心や安心感を満たしていたのではないでしょうか。
・日本
核や憲法うんぬん以前に、日本が日清戦争依頼行ってきたのは侵略戦争だったのだ、こういうことなのだ、ハッとして、それを直視していなかった自分に怯えながら軽蔑を覚えています。
日本と欧州列強が戦争した場所がなぜ他国だったのか、ということです。
アジア解放のため、というのは強盗が部屋を片付けてやったというような物言いに感じられますね。個人でもそうですが相手の領域に入り込んで「お前のために○○してやった」という人は信用できないし、ハラスメント・DV思考であると思います。
つづく
Why do we only rest in peace?
Why don't we live in peace too?
#RingoStarr